痛ましいほど楽園

言いたいことはありません

彼のような彼女と

 

三連休のこと。

 

大好きな先輩と関西に行った。

先輩の好きなアーティストのライブの付き添い、みたいな感じで 。

私自身はすごくファンというわけでもないんだけれど、前から3列目のチケットを当てちゃって、ラッキーガールなのかも、と思った。

(実は先々週に四国のライブにも行ったのだけれど、それも前から2列目だった)

私は知らない曲もあるくらいだから3列目なんて畏れ多い、上手くノれなかったら嫌だな、と思ってたけれど、先輩が楽しそうだったから当ててよかった。それが全て。

 

ライブの後お酒を飲んでたら急に生活がつらくなってきて、

「毎日他人に蔑ろにされる生活が耐えられない、悪い人はいないけれど失礼な人はいっぱいいる」

とワアワア泣いて、先輩が取ってくれたちょっと良いホテルの広いベッドでそのまま寝て、次の日は目が腫れすぎて一重になった。

 

私にとって善良じゃない人の愚痴を言うために、私にとって善良な先輩との時間を使う羽目になった。

先輩を困らせることに比べたら、失礼で善良じゃない人に嫌われたり気を遣われることなんてまったくどうでもいいのに。

毎日我慢してニコニコしてたけど馬鹿馬鹿しくなったので、週明けにでも辞める覚悟で業務改善提案をしようと決めた。

 

ライブのMCで、ボーカルが何かの拍子に「僕も毎日つらいけど」って言ったのがずっと頭に残っている。

つらいんですよね〜、って感じじゃなくて、もっとさらっとした、「当たり前のようにつらい」ってニュアンスだった。

こんなに顔がよくて、お金があって、歌が上手くて、好きな人に好かれて、好きな仕事でご飯が食べられてる人でも、人生がつらいんだ。

MCでぽろっと口に出るくらい、当たり前のことなんだ。

お金もなくて仕事もつらくて顔も良くないし好きな人にも好かれない私がつらいのは、なんかこう、不幸でも何でもなく、当たり前中の当たり前なんだ、そりゃつらいわ、と思った。

つらいことが定義であるくらい、人生は当然のようにつらくて、珍しくも不幸でも何でもなく、私もあなたもつらい。

この世には世紀末のような悪人は滅多にいないし、狂人のような悪意を持って接してくる人もいない。

それでも失礼な人はたくさんいるし、好意的なことはイコール善良なことではない。

全部当たり前のこと。

当たり前だからといって苦しみが減るわけでもないけれど、そういうふう世界のあり方と自分のあり方をすり寄せて行かなきゃなあ、月曜日からも。

平日を生きなきゃなあ、私たち。

という気持ち。

 

淡々とつらがるのも、ドラマチックに苦しむのも、どっちでも、楽な方を、その日の気分で選ぼうかな。

思想もないし。