痛ましいほど楽園

就留女のたのしい毎日

「あなたのためを思って」に対する就留女からの反論

最近、人から説教されることがめちゃめちゃ多いんですよね。

ほとんどは就活を終えた同期、または新卒として働いてる先輩。

だいたいは、「就活終わったの?」「留年します」からの

「(ボランティアとか学芸員資格とか)そんなの役に立たないよ!やめなよ!」

「あきらめるの早くない!?もっと粘れば中小でもいいとこあるよ!」

「納得できないことはあると思うけど、割りきらなきゃだめだよ!みんなそうして生活してるんだから」

「やりたいこともなく漠然と延ばすだけじゃ、来年も失敗するよ!」

というようなこと。

たぶん、これってぜんぶ「わたしのため」なんですよ。

ふだん寡黙な友人までもが饒舌にわたしの将来のことを語ってくる。

ありがたい。

でも、心底迷惑なんですよね。

「わたしのため」であればあるほど、こっちも神妙な顔して

「う~~ん……そうだよね、やばいよね、いろいろ考えてみるね……」

と言わなきゃいけないんですよ。

真に受けたふりも疲れる。

そもそも「あなたのためを思って」という言葉の暴力性ってハチャメチャやばいですよね。

以下は、わたしが「あなたのためを思って」説教されてるときに考えてるいくつかのことです。

 

 

 

①わたしの「就活失敗、留年」というスペックを見て、勝手に「可哀想」だと感じ、「就活がうまくいった立場から何か助けをさしのべましょう」とアドバイスしてくるおこがましさ。

わたしは(もちろん将来不安はあるけれど)あと1年半も学生でいられて楽しい!無駄なく遊ぶぞ!という気持ちで生きてます。

そもそもアドバイスとか全然ほしくないんですよね。

向こうが近況を聞いてくるから答えてやっただけなんだから、近況聞いて満足しろよ。

 

②人間のさまざまな活動を「役に立つ/立たない」の二元論に還元してしまう、機能性志向に毒された視野の狭さ。

これは本当にやばい、救いようがない。でも就活終えたばかりの人ってどうしてもこういう思考になってしまうんだと思う。

面接官にも言われたことがあります。「その勉強って、何の役に立つの?」って。

「役に立たなきゃいけない」「目標がなきゃいけない」「成長しなきゃいけない」という思考は、人間を「機能」と「目的」に縛り付ける。

機能や目的がすべてなくなったって、その人の此在性=「かけがえのなさ」は失われない。

というのが臨床哲学の前提です。こういう勉強をしています。

お前みたいな質問をしてくる人間を見限るための教養です。

という気持ちをぐっとこらえる。

面接の場で「人材、リソース」として「役に立つ/立たない」を価値判断されるのは正しいことだと思うけど、人間対人間であるはずの友人関係においてその尺度を持ちだされると、なんだか「つまんねー奴とつるんでたのかも」という気分にさせられる。

 

③わかりえない、答えの出ない問いに対して「割りきって」とかいう暴力的なポジティブで以ってわかったふりをするクソバカ。

「納得できないこと」って、そもそも答えが出ないことなんです。

「自分にしかできない仕事なんてない、という事実とどう折り合いをつけて週に5日働いてるの?」とか

「普通を維持するために週5日を犠牲にすること、それをやめたら死ぬということ、それってナンセンスで救いがないと思わないの?」とか。

もちろんこんな社会人のこころを逆撫でするようなこと、好きで言ってるわけじゃない。

「なんで就活やめたの?」って聞かれるから、吐露しただけ。

わたしだって生活のために週5日バイトしてるよ。わかってるんだよ、働けなきゃ生きていけないことくらい。

でもこの疑問をぶつけたところで、「うーん…………でも割りきらないと。みんなそうしてるんだから。それができないのは甘えだよ」以外の答えが出てきたことはない。

いやいや、「割りきらなきゃいけないけど、それができなかったから就活失敗した」って話をしてるのに「割りきらないと」って、お前、今の会話いる??って話じゃないですか。

「うんこ踏んだら臭い」くらい自明じゃないですか。ほんとに時間と言葉の無駄ですよ。

「割りきらないと」しか言えないなら何も言わないほうがマシ。

「語りえないものについては、沈黙しなければならない」ってタトゥー、顔に入れようかな。

どこまでいっても答えの出ない問いであり、語りえないものなんだから、「わからない」ことを認めてほしい。

「自分にはわからない」ということを一旦引き受けてほしい。

そこから始まるのに。「わからない」と言わずに、「割りきるしかないよ」しか言えない奴と話すことなんて何もないし、一生会話は進まない。アディオス。

 

④わたしを扶養してきた親でもないくせにわたしの人生に影響を与えようとするな。

わたしの大株主はわたしであり、親である。株を一株も保有してないお前が口を出すな、という話です。

わたしのこれまでの人生に何の影響も与えてこなかったお前が、なんでいきなりアドバイスを採用してもらえると思ってるんだ!??

人の人生を左右する決断(就活延長しなよ、留学行きなよ、ボランティアなんかやめなよ)をいきなり口出ししてきて、「その決断をすべきだと思った理由」をいろいろ喋って、完全に自分のアドバイスを採用してもらう気なの、ヤバすぎるよ!狂ってる!こわい!関わりたくない!

お前はお前の人生の主人公かもしれないけど、わたしの人生においてはただのモブだぞ、でしゃばるな。

 

⑤そもそも「あなたのためを思って」ない。

いや、多少は思ってるのかもしれないけど、「自分の気持ちいい範囲」でしか思ってないよね?って話。

「自分の気持ちいい範囲」でしか思いやってないのに、こっちは感謝したり真に受けたりしなきゃいけないんですよね。

謝られたら許さなきゃいけない、みたいな。

思ってもないこと言わなきゃいけないくらいなら、そんな薄っぺらな思いやりいらない。

けど、受け取ってしまったものは返せない。

「あなたのためを思って」ない、自分が言いたいだけだよ、って認めてくれればまだ救いがあるのに。

 

 

 

これが「就活失敗女」として、数々のクソ役に立たないアドバイスをもらってきたわたしの本心です。

就活終わった万能感から、他人の人生コンサルタント始めちゃう奴、ほんと多いな。

わたしのためを思ってくれる気持ちだけはありがたく頂戴するけど、死ぬほどストレス溜まるわ。

つーか、自分の人生は自分で矯正するっつーの!恥を知れ、家燃えろ。